2016/02/26

世界は、安全になっているのか。 「無関心」は、人権侵害の最大の「敵」!


こんにちは。アムネスティ日本 事務局長の若林です。

 2月24日、アムネスティ・レポート2015年が発表されました。世界の人権状況は大変なことになっています。多くの国(政府)が人権侵害の加害者となって、国際法のみならず、自国の法律さえ無視し、国連を中心とする人権保障の枠組みは崩壊の危機に瀕しています。

人権レポートがイギリスのアムネスティ国際事務局で発表された。

 それでは世界の治安や人権状況は、以前と比べてより深刻になっているのでしょうか。先日、国連のアドバイザーでもある専門家は、「世界はより安全になっている。10年前なら世界中で知られなかったことが、今日では、携帯電話やSNSが普及し、瞬時に情報が世界に伝わり、大変になっているイメージを与えているだけだ」と。

 確かにスマホで、毎日、日替わりメニューのように次から次へと、ライブ感あふれる新たな映像ニュースを目にします。しかし世界は安全になっていると言われても、何に対してより安全になっているのか比較の対象がありません。

国際事務局につめかけた報道陣

 実際に目にするニュースを通じて世界を「透視」することは、人間として自然な思考であり、重要なことは、量的な比較ではなく、目の前で起きていることは事実だということです。 実際に、レポートで報告されているように、アムネスティの調査では、少なくとも6000万人以上の人が自分の家を追われている、少なくとも113カ国で、表現の自由、報道の自由が脅かされている、少なくとも36カ国で武装グループが人権侵害を行っているといった事実を知る限り、世界は安全になっているとは言いがたいと思います。 

トルコからヨーロッパへと海を渡る難民

 大切なことは、知った情報をもとに、どう行動するかです。ただ指をくわえて何もしないのであれば、せっかくの貴重な情報が死んでしまいます。今、問われているのは、国際機関や政府、そして我々人ひとりが、出来ることをそれぞれの立場で行動することです。「無関心」は、人権侵害の最大の敵です。



若林


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