2017/07/03

インターンを終えて~平島編~

お久しぶりです^^

去年の8月末にインターンをはじめさせていただき、今日で勤務最終日を迎えました。職員の方やボランティアのみなさん、気の合うインターンの同期たちに囲まれてとても楽しく過ごさせていただきました。

今日はインターンを通じて学んだことと、卒業宣言?として今後の心構え!を書かせていただきたいと思います。終始、真面目モードですがお付き合いくださるとうれしいです。

インターンをして、なによりもよかったことは、世界中に勇敢な活動家がたくさんいると知り、勇気づけられたことです。

インターンを始める前は、ニュースでレイプやテロ、殺人、拷問などの話を聞くたび、なんでこんなひどい事が起きるのだろう、とあきらめのような気持ちになるだけでした。アムネスティでは、ニュースで見聞きするよりずっと多くの人権侵害の報告に日々触れるので、「こんなに毎日のように恐ろしいことが起きているのか!」と、最初はなおさら悲しくてたまらない思いでした。

たとえば今日も、流産してしまったが故に逮捕されてしまった女性に関する報告を訳したばかりです。その前の勤務日には、自由を求めるツイートをしただけで、拷問されている人の報告が届きました。

でも、こうした理不尽に、世界中のアムネスティのサポーターは、日々、ペンをもって政府に抗議の手紙を書き、声をあげ闘っています。想像をはるかに超える恐ろしい出来事が起きていますが、決して「起こりっぱなし」にはさせない人がたくさんいます。中には、そのせいで逮捕されたり、殺されたりしてしまうこともあります。それでも沈黙しない人たちがいることを私は知ることができました。

インターンをする前までは、恐怖心やあきらめのような思いだけでした。しかし、勇気をもって声をあげ続ける人たちがいること、声をあげることで状況の改善につながりうることを目の当たりにし、私は傍観者になるのではなく、言論の力を信じて、できることをしようと思うようになりました。

「なにを大切にするのか」を問われる日々の中で、時勢にとらわれず、アムネスティに連なる人びとのことを思い浮べながら、勇気をもって自分の立場を省み、示し続けていきたいです。

最後に本を一冊紹介して終わろうと思います。ユルゲンスマイヤーという社会学者が書いた、『グローバル時代の宗教とテロリズム』という本です。筆者は「テロリスト」とされる人びとをインタビューし、彼らの価値観や、なぜ彼らがテロを行うのかを分析しています。

この本を読んでわかるのは、「テロリスト=極悪人」というような考え方は単純すぎるということ、また「テロリストではない自分たち=正しい」と考えるのも無知にすぎないということです。善悪は簡単に決められない、ということをじっくりと考えさせられます。

  • マーク ユルゲンスマイヤー (著), 立山 良司 (著)
  • 単行本: 505ページ
  • 出版社: 明石書店 (2003/7/28)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4750317594
  • ISBN-13: 978-4750317595


善悪は単純に決めることはできない。だからこそ、「なんでこんなひどい事が起きるのだろう」という問い―おそらく多くの人が持つ疑問―に簡単な答えが見つからないのだと思います。しかし、答えが見つからないことから目を背けて、善悪を単純に決めつけてしまうことが一番よくないと思います。

ハンナ=アーレントはナチスを「凡庸な悪」と呼びました。それは、ナチスは多くの人が考えるような巨悪だったのではなく、人びとが思考を放棄したがために歴史的な悲劇を生じさせたのであるという意味でした。

大切なのは、思考することだと思います。善を守るためには、何が善なのかを宣言するだけではなく、絶え間なく何が善で何が悪なのかを考え続けることが必要不可欠だと思います。

アムネスティで過ごして知った人びとの存在や言論の力に励まされつつ、発言と、そして思考とを重ねていこうと思います。今後ともボランティアなどでアムネスティに関わっていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

新しく入ったインターン・宮田さんと私

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